シングルマザーの収入・働き方は?【実例ご紹介!】

シングルマザーの収入・働き方は?【実例ご紹介!】

シングルマザーになって最初に直面する問題は「お金」です。

一家の大黒柱としてしっかり働かなければならないけれど、子どもの世話や家事もしなければならないし…。一体、どのような働き方をしたらいいのでしょうか。

シングルマザーの実態を表したグラフとともに、みんながどのような働き方をしているのか、どのくらい稼いでいるのかを見てみましょう。

 

シングルマザーの働き方

シングルマザーの働き方の変化

シングルマザーになる前には、75.8%の方がなんらかの仕事をしています。

このうち「パート・アルバイト」が 54.7 %と最も多く、次に「正規の職員・従業員」が 32.1 %となっています。23.5%は仕事に就いていない状況です。

それが、シングルマザーになった後では、「正規の職員・従業員」が 44.2 %、「パート・アルバイト」は 43.8 %と正規職員で働く割合がパート・アルバイトを上回ります。

働いていない人の割合も9.4%まで下がり、より安定した地位で自ら生計を立てていくようになることが分かります。

子ども1人を育てるのには、養育費だけで1,640万円(誕生から大学卒業までの22年間)がかかります。

また、女性の平均年収を比べると、正規職員で働く人は373万円、パート・アルバイトなどの非正規で働く人は148万円※1で、その差は何と2倍以上

シングルマザーとして一人で子どもを育てていくために、なるべく正規職員で働き、給与所得を上げるように働き方を切り替えているようです。

転職も選択肢に

シングルマザーになったことを理由に転職した人は45.5%となっており、ほぼ半数の人が仕事を変えています。

その理由1位は「収入がよくない」で38.0%。やはり問題となるのはお金で、給与のアップは必須です。

続いて「労働時間があわない」12.4%、「勤め先が自宅から遠い」9.9%となっています。一人で仕事と家事・育児を担うためには、時間を調整したり捻出したりしなければならないため、このような結果になったのでしょう。

また、現在働いているシングルマザーのうち、「仕事を変えたい」と回答した人は30.4%となっています。

「仕事を変えたい」理由は下記ランキングのとおり。

1位は実際に転職したシングルマザーと同じ「収入がよくない」でした。

 

  1. 収入がよくない 48.1%
  2. 労働時間があわない 6.2%
  3. 勤め先が自宅から遠い 5.3%
  4. 社会保険がないまたは不十分 5.1%
  5. 身分が安定していない 4.9%
  6. 職場環境になじめない 4.9%
  7. 休みが少ない 4.3%
  8. 仕事の内容がよくない 4.1%
  9. 健康がすぐれない 3.9%
  10. 経験や能力が発揮できない 1.6%

そして、この「仕事を変えたい」シングルマザーたちの雇用形態の内訳は、「派遣職員」 が41.0%、「パート・アルバイト等」が36.0%ですので、より安定した地位や給与で働きたいと考えていることがうかがえます

一方、シングルファーザーで転職した人は24.7%、転職を希望している人も20.2%しかいません。

この状況を見ると、シングルになることによって働き方を大きく変えざるをえないのは女性のようで、少しでも高収入であることが転職理由になるようです。

副業してる?

シングルマザーの副業

少しでも収入を上げるために副業(ダブルワーク)を考える人は多いでしょうが、実際に副業をしているシングルマザーは8.4%とそれほどいません。

フルタイムで仕事をしている人が多いため、副業する時間が取れないことが現実と予想できます。

その中でも副業をしているシングルマザーが働いている職業は、「サービス業」が35.2%と最も多い結果に。

サービス業はシフト制になっていることが多く、メインの仕事が休みの日や夜間などの空き時間に働くことが可能なため、副業をしたい人に人気のようです。

また、シングルマザーのうち、現在仕事をしていないけれどもしたいと考えている理由として「時間について条件の合う仕事がない」というものも多く見られます。

そういった場合でも「午前中」や「週3日だけ」など、働きたい働き方を選択できるのも、サービス業のメリットですね。

子どもの預け先を確保して働きやすく

シングルマザーが「フルタイムの正規職員で働く」「空き時間に副業する」となると、困ってくるのが子どもの預け先

仕事に集中してなんとか給与を上げたい、キャリアアップしたいという場合に、一番にぶつかる壁になります。

小学校就学前の子どもを持つシングルマザーが預け先に選んでいるのは、

  1. 保育所  59.0%
  2. 認定こども園  7.6%
  3. 幼稚園  7.3%

となっており、比較的長時間預けられる保育園がダントツ

ひとり親世帯の場合、保育所・認定こども園では入所選考で大きく加点されるために入りやすいといえます。また、年収が360万円未満相当であれば、保育料の減額対象となります。

預け入れ先を決めるときには、優遇措置も確認しておくとよいでしょう。

育児と仕事の両立は、一人とあればなおさら大変です。育児をしながら働くことへの理解がある企業を選ぶことが大切です。

例えば、パートであっても保育料の補助金が出る企業もあります。福利厚生や待遇面もしっかりチェックして、働きやすさを確保しましょう。  

シングルマザーの収入はいくら?

シングルマザーの収入

シングルマザーが自ら仕事で稼ぐ年収の平均は200万円。

一方で、シングルマザーの58.1%と半数以上が、平均よりも低い年収200万円未満となっています。

中でも多いのが、「100~200万円未満」のシングルマザー。この層では、52.9%がパート・アルバイトで生計を立てています。

年収200万円未満はパート・アルバイトで働く人が圧倒的に多いのに対し、年収200万円以上からは正規職員の割合がパート・アルバイトを上回るようになります。

この「年収200万円」というのが働き方を考える1つの基準になっているようです。

また、雇用形態別に見ると、正規職員で働くシングルマザーの平均年収は305万円、パート・アルバイトで働くシングルマザーの平均年収は133万円となっています。

ところが、シングルファーザーでは、正規職員が平均428万円、パート・アルバイトが平均190万円。シングルマザーと比べて60~70万円近くも差があり、女性が一人で生計を立てていくことの難しさがうかがえます。

ちなみに、シングルマザーの仕事の業種別にみると、専門的・技術的職業の平均年収は300万円、事務職の平均年収は229万円、販売職の平均年収は182万円、サービス業の平均年収は168万円となっています。

専門的・技術的職業はもちろん専門の知識が必要になりますが、事務職も特定の資格が必要なことも。専門性が高いほど、平均年収も高くなる傾向にあるようですね。

シングルマザーが少しでも多く稼ぐためには、専門性が高くかつ正規雇用の仕事がよりよいということになります。

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資格は役に立つ?

シングルマザーが持っている資格

シングルマザーが現在持っている資格とそれが役に立っているかどうか?ですが、

  1. 簿記 15.9%(役に立っている48.9% / 立っていない48.9%)
  2. ホームヘルパー 12.6%(62.7% / 35.4%)
  3. パソコン 10.8%(55.5% / 39.0%)
  4. 医療事務 6.1%(54.4% / 42.7%)
  5. 介護福祉士 6.0%(89.1% / 7.9%)

簿記が最も多いのは、おそらく学生時代に取得した方が多いからでしょうが、その割に現在役に立っていると感じている人は半数しかいません。

反対に「役に立っている」割合が多い資格は、その資格がなければ就けない職業。そして、そういった職業は求人募集数が多いです。

具体的にいえば、簿記を必要とする経理や会計といった職業は人気が高く離職率も低いため、募集自体が少ないです。簿記資格を持っていたとしても他職種に就いている人が多く、そのため「今は役に立っていない」と感じているのでしょう。

一方で、ホームヘルパーや介護福祉士、保育士などは募集数が多いですし、一度資格を取得すれば、いったん離職しても復帰が容易です。

また、資格を持っていれば職種の選択肢が広がるほか、就職活動に有利というメリットがあります。

しかし、資格がなくてもできるお仕事や、未経験者を歓迎している職場もたくさんあります。資格の有無にとらわれず、視野を広げて新しい仕事に挑戦してみることも大切でしょう。

【実例紹介】私こんな働き方してます!

ここまで、シングルマザーの働き方や収入について見てきました。では、具体的にはどのような働き方をして、どのくらい収入があるのか、実例をご紹介します。

 

Sさん(34歳)
・子ども:長男12歳、長女6歳
・離婚後、派遣として就職(勤続1年、事務職)
・勤務形態:月~土の9:00~17:00(残業なし)
・月給は手取りで13~14万円
【不安】派遣で働き続けること。派遣ではボーナスもないし、閑散期には月給が下がる。土曜も勤務なので、子どもと一緒にいる時間が少なくなってしまう。

シングルマザーは、より安定した地位・給与で働きたい人が多いです。しかし、派遣のSさんの場合、閑散期には通常時にくらべて月4万円もダウンしてしまうとのこと。せっかくフルタイムで働いているのですから、一定の給与確保はしておきたいですね。

派遣は募集数や種類が多いので応募しやすいですし、ムリのないスケジュールで働くことができるというメリットもありますが、1つの職場で働けるのは3年までというデメリットもあります。

月~土の9:00~17:00というフルタイムで働けるのであれば、正社員のお仕事に切り替えた方が長く働けますし、福利厚生面も充実すると思います。  

 

Cさん(29歳)
・子ども:男8歳
・離婚後、正社員で就職(勤続5年、販売職)+ダブルワークで出勤前にコンビニパート(子どもの小学校入学を機にスタート)
・勤務形態:メインは月~金の10:00~18:00(残業週2日程度あり)+サブは月~金の7:00~9:30
・月給は手取りでメインが19万円+サブが4万円
【不安】ダブルワークを始めて2年になるが、体力的にキツイ時もあり、体調を崩さないか心配。ダブルワークが短時間になってしまい、時給アップが望めない。

Cさんは正社員とパートのダブルワークでがんばっています。

サブのお仕事の方は早朝勤務のため、お子さんと一緒に朝ごはんを食べた後にCさんは出勤、お子さんは一人で身支度をして登校しているそうです。

月23万円としっかり稼いでいますが、体力的にいつまで続けられるかが心配とのこと。コンビニパートは1日2時間半固定シフトのお仕事で、あまり責任のある仕事を任せてもらえないため、時給がなかなか上がらないのが悩みです。  

 

Tさん(40歳)
・子ども:長女17歳、次女15歳
・離婚後、パート(勤続3年、サービス職)早朝+午後のダブルワーク
・勤務形態:早朝が月~金の5:00~10:00(残業なし)+午後が月~土の13:00~18:00(残業なし)
・月給は手取りで合計12万円
【不安】どちらもシフト固定のため、他のスタッフさんとの調整が難しく気まずい時がある。長女の大学進学が決まったが、実家を出ることになったので、これからますます学費や仕送り費用がかかってしまう。

こちらもダブルワークをしている方の例です。お子さんたちが大きいため、朝は5時から働いています。

会社には平日シフト固定で考慮してもらっていますが、一緒に働くスタッフには「うらやましい」と思われているのではないかと気にしています。Tさんが急に休むことになった場合も、他のシフトに入れないことから、代わりをお願いすることが難しいということでした。

また、これから最も出費がある子どもの大学進学を控えており、同時に自分の老後資金も貯めていかなければならないと感じているので、パートのままでよいのかどうか迷っています。

 

Rさん(25歳)
・子ども:女1歳
・離婚前から働いている正社員(勤続3年、サービス職)
・勤務形態:月~金の9:00~17:30(残業なし)
・月給は手取りで合計18万円
【不安】基本は月~金出勤だがイレギュラーで土日祝の出勤もあるため、子どもの預かり先の確保が難しい。子どもが小学校に入った時に、夏季休暇などの長期休みをどうするかが問題。

お子さんを保育園に入れて働いているRさんは、急な病欠で仕事を休むこともありますが、会社は理解があるそうです。

フルタイムで働けているので給与は良いのですが、時々ある土日祝出勤がネックです。

おじいちゃん・おばあちゃんに面倒を見てもらうこともありますが、調整が難しいときもあるので、休日の保育サービスを何か見つけなければいけないと考えています。

自分にぴったりの働き方を考えよう

仕事と育児を両立するママ

シングルマザーで働くためには、

  • なるべく長期で安定して働ける
  • 短時間でも高収入
  • 福利厚生・待遇が充実している
  • 子どもが小さい場合は、預かり先を確保する

ことが必要となります。

一人で稼いでいくことには色々とハードルもありますが、ひとり親世帯を支援する制度はたくさんあります。これをフルに使うことは、最低限しておきましょう。

また、頑張りすぎでお母さん自身が体調を崩してしまっては、元も子もありません。周りからのサポートもお願いして、無理のない働き方をしましょう。  

 

☆データ出典

グラフデータはすべて、厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」参照

※1 国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査結果」参照

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